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ご質問

2.複数の遺言が見つかりました。それぞれの遺言の効力はどうなりますか?


 

 

 

解説

こんにちは。福間法律事務所の所長をしております、弁護士の福間則博です。

今日は次のような質問を頂戴しました。

複数の遺言書が見つかりました。それぞれの遺言書の効力はどうなりますか」というものでございます。

 

まず遺言書が複数あるということですが、こういうことは比較的多くございます。決して珍しいことではございません。
と申しますのは、遺言というのは、自分の財産の処分、死後における処分を生前に、要するに生きている間に定めておくというものでございます。とても重要な行為でございますが、やはりその時々、遺言書を作成した後に気持ちが変わっていくということで、また遺言書を書き換えられるということは往々にしてあります。その結果、複数の遺言書が生ずる、残るということがあるわけでございます。

 

さて、その場合にどのように考えたらよろしいかということなんですが、まず第一に検討しなければならないのは、それぞれの遺言の内容を吟味することです。それぞれの形式的な要件が整っているということが前提なんですが、その内容がどうかということですね。

 

書かれてる内容が矛盾しないものであれば、それはそれぞれの遺言が効力を有するということになります。例えば最初の遺言で不動産について書かれている。後の遺言では預貯金について書かれているということであれば、不動産と預貯金、これは全く別の財産でございますので、それぞれの遺言に書かれたとおりの効力が発生するというふうに考えてよろしいわけです。

 

ところが問題になりますのは、その両者の遺言の内容が食い違っている、矛盾している、それぞれが抵触してしまうという状態になる場合です。

 

例えば最初の遺言で「不動産を長男のかたに相続させる」というふうに書いておいて、後の遺言で同じその不動産を、今度は別の「長女のかたに相続させる」というふうに書かれていたということになりますと、同一の不動産を別のかたに相続させるっていうことになりますと矛盾してきますので、どういうふうに処理したらいいのかというのが問題になるわけでございます。

 

この点については民法がきちんと対応する条文を設けております。それはその内容が抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものと見なすというふうになっております。
従いまして、今の例でいきますと、不動産について矛盾した内容になっておりますから、これは後の遺言で前の遺言を撤回したものと見なす。従って、不動産は長女のかたに相続させるということになるわけでございます。

 

この場合、注意しなければならないのは、あくまでも抵触する部分が、今、申し上げましたように、後の遺言で前の遺言を撤回したものと見なすということになりますので、抵触していない部分につきましては、前の遺言もなお有効ということになります。

 

ですから、このような事態、複数の遺言書が見つかったという場合には、まず内容を吟味して、その間に矛盾があるかどうかというものを検討する必要があります。
 
 
 

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